医院のスタッフの一人が濃厚接触者であることが判明。
しかし、その濃厚接触者と医院内で会食したスタッフからは感染者が出なかった。
この医院は開業時(10年程度前)にエコキメラを施工しており。令和2年の10月にも再施工していた。
その効果を再確認したうえで、再度対策を施すため院長からエコキメラ再施工の依頼を受けた。
場 所:ふじしろ歯科医院
施工日:令和4年2月2日
概 要:
令和2年1月26日歯科医院スタッフの1人が家族感染(感染者である妹と会食、車での密室移動が原因)が判明し、スタッフが控室のコタツで会話しながら食事していたため濃厚接触者にあたると院長が最終判断。
PCR検査キットが不足しているために医療従事者は毎日PCR検査すれば開業できるという制度が使えず、1月27日から休診。
スタッフの発熱や風邪の症状が発生しないことを確認できると2月3日から営業できる状況になる。
※濃厚接触者判断の詳細状況
①院長1人、スタッフ5人(感染S、S1、S2、S3、S4)の体勢で営業。
②2日間で院長+3人のシフト。
1日目(感染S、S1、S2、)2日目(感染S、S3、S4)
③スタッフは控室のコタツで昼食しマスクなしで会話。院長は別室で昼食。
④スタッフは控室(S=3.6×2m=7.2㎡ H=2.6m V=18.72㎥)に1時間前後同室。
⑤換気扇は控室を含め、診療室、院長室、待合と24時間運転。
⑥控室エアコンは今冬は寒かったので休憩時間中運転。控室の入口扉は閉めている。
(写真はスタッフが実際に会食したコタツ)
保健所から②、③の状況により院長を除くスタッフ全員が濃厚接触者である可能性があるとの指摘があり、実際に濃厚接触者か否かの判断は院長の責任で判断して営業するか否かを決めて欲しいとの要請。
この医院は、開業時(10年程度前)にエコキメラ(抗菌・抗ウイルスコーティング)を施工しており。令和2年の10月にも再施工している。施工室は診療室、待合、院長室、スタッフ控室、トイレ。施工ヵ所は壁・天井・エアコン・間接接触のある備品や機器も施工しており。スタッフ控室はコタツのふとんは施工時にはなかったが、机は施工している。
抗ウイルスコーティング施工済みとはいえ狭い部屋でマスクなしの会食。直接飛沫がかかる状況でもあり感染は避けられない状況などから院長の営業停止の最終判断に至る。
施工計画:
スタッフの感染状況次第で営業再開の時期は確定できないが、2月3日営業という想定で対策を施すため院長からエコキメラ再施工の依頼。消毒などの措置は法律では必要ないが消毒済みと同様の安全性アピールを顧客にしたいとの内容。
実際のスタッフの感染状況(風邪の症状が出るか否か)を毎日確認していたが、2月1日になってもそれらの症状を示すスタッフはおらず。規定通りの2月3日の開業を予定する。その前日の2月2日にエコキメラの再施工を実施した。
※スタッフの感染状況の考察とコーティング計画の決定
スタッフのPCR検査はキットの火急の入手が困難なのでおこなっていない。
よって風邪の症状を示さなかった状況は以下の三つが推定される。
① ウイルスを拾っていない。
② ワクチンの抗体で対処できる範囲のウイルスしか拾っていない。(スタッフは医療従事者の先行摂取により昨年の4月段階で2回摂取を終えている。3回目摂取したスタッフはいない。2回目摂取後から9ヶ月以上の期間が経過しており抗体の量はかなり減っている状況だと推定される。)
③ 感染したが無症状感染であった。
このなかで、①のウイルスを拾っていないというのは状況的に少し考えがたく、②又は③であると考えられる。
家族感染したスタッフが風邪の症状を発生させていること、それに対して他の4人のスタッフの症状が全くなかったことから③より②の可能性が高いと判断。また家族感染したスタッフは会食より自動車による密室移動がより危険度が高かったのでは?とも判断し、エコキメラ再施工の実施内容を決めた。
(1) 自動車内は空気をエアコンで効率的に車内に循環させ、同様に飛んだ飛沫も循環させてウイルスも車内に効率的に拡散すると推定される。また室内空気の循環型のパッケージエアコンを稼働した部屋でのクラスターがコロナ発生当初は多く報道がありパッケージエアコンは大きな原因ファクターで、そのコーティングは重要でウイルス対策としては除菌機能を逆に持つことになると判断。
→ エアコンの徹底したコーティング
(2) 机上はコーティングしていたので机上に落ちた飛沫に潜むウイルスに対して抗ウイルス機能は作用している。またコーティングには吸着力もあるので仮に手に付いていたウイルスもコーティング面に接触することでコーティング面がウイルスを拾っている可能性がある。備品や手で触るところのコーティングも重要と判断。
→ 接触の恐れのある備品や家具、手摺り、取手の再コーティング
(3) 控え室のような狭い密な部屋では危険度も高くより確実で多くのコーティングが部屋全体へのウイルス拡散リスクを低減する。
→ 控え室や、待合室の壁の再度のコーティング
以上のような方針で再度のエコキメラコーティングを実施した。
また、施工完了後にお客様へのアピールとして抗ウイルス施工済みポスターを貼った。
実際の施工状況:
エコキメラ使用量 3.00L =(0.843-0.087)+(4.246-2.000)
今回の施工ヵ所
壁掛けエアコン(3台)、天井エアコン(3台)、手摺り及び取手、控え室(壁、コタツ周辺)、診療室(診療椅子、台及びその周辺)、バックヤード(流し台)トイレ(壁・天井・便器)、洗面化粧台、待合室(椅子、下足箱)、受付カウンター周り、10月再施工で行っていなかった廊下(壁、天井)
エコキメラコーティングの対コロナ感染への効果ついての考察:
2月7日現在でスタッフに感染症状も見られず通常通りの営業に至っている。
結果として当医院ではクラスターは発生していない。
2月2日に報道されたリケンによる富岳シミュレーションで、50㎝の距離での15分の会話で感染率100%と出た結果を受けて「これまでは2mがソーシャルディスタンスと言われていたが、感染力が高いオミクロン株ではそれを見直す必要がある。
また、50cmにまで近づくと飛躍的に感染確率が高まることも分かった。感染者がマスクをしていても、50cm以内では感染リスクは高まる。50cmという距離は、イベント会場などで肩が触れ合うぐらいに座り、隣同士で会話をしたさいに発生する。
最近では接触時間を意識する人が減っているようだが、長時間の接触は感染リスクを高めることにつながることにも注意してほしい」といったコメントが出された。
この基準に当てはめるならば狭い部屋で昼食を取りながら会話し、そこにとどまっていた時間が1時間前後という状況はまさにこれに当てはまることになるが、結果としてクラスターとはなっていない。
それでここで注目したのが次のこのコメント。
「不織布では小さな飛沫(エアロゾル)のブロック効果は限定的であり、隣同士でしゃべるようなシーンでは、マスクをしていても安心せずに、距離を取り、接触時間を短くするなどの対策を行なうことが大切だ」
この部分の小さな飛沫に対する危険性の指摘に注目する。大きな飛沫は短時間で床に落下していくのに対して小さな飛沫は浮遊する時間が長く、また鼻呼吸でも小さな飛沫はその鼻の持つフィルター機能を通過しやすい。
クラスターの発生要因となるのはまさに浮遊時間の長いこの小さな飛沫ではないのか?ということ。大きな飛沫は直接、間接的に口に入ることによって感染の要因となりそうではあるが、より多くの人を同一空間で感染させるのは浮遊する小さな飛沫で、それが一定の濃度を超えた場合と推定される。
最初の日本でのフェリー感染ではバイキング形式の食事の際に使う器具などを通して間接接触が強く指摘されていたが、小さな飛沫のウイルスをフェリー内の空調機で全館に運んでいた可能性も十分あり。ウイルスを使った生物化学兵器テロなどでは空調機を利用した拡散なども作戦計画として存在しまさにその状況を作り出していた可能性。
そこでエコキメラコーティングであるが、この医院の控え室では換気扇と空調機を運転したいたことで、小さな飛沫が換気扇や空調機の作る上昇気流に乗って舞い上がり、その近接での小さな飛沫の量を減らすと同時にコーティングした壁に接触すること、コーティングした空調機をその空気が通過することで短時間での空間除菌が成立していたのではないか?ということ、またより小さな飛沫ほど鼻呼吸のフィルターは通りやすいと考えられるがより小さな飛沫ほど軽い上昇気流に乗っていた可能性。下に落ちる大きな飛沫による間接接触も机上のコーティングでそのリスクを減らしていたのも指摘しておく。
引用元:(https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1385484.html )